2012年09月10日

271)剥奪と服従と軟禁―怨念と復讐

シニフィアン研究所(埼玉県上尾市&和歌山県和歌山市)の迎意 愛(むかい あい)です。
精神分析という対話療法で心身の悩み相談をしています。
           
今日は、「剥奪と服従と軟禁―怨念と復讐」 について書きたいと思います。

重いタイトルを付けてしまいました。
それは、
日々のクライアントとの面談を通し、その叫びの根底に程度の差こそあれ、これらの環境が見えてくるからです。
そこで、今
≪子どもに「怨念と復讐」を抱かせる環境になっていないだろうか?≫
と問いかけてみたいと思います。。

「躾け」という名のもとに、あるいは「子どもの将来のため」の名のもとに
それとは気付かぬうちにしがちなこと。
1.選択の強制と制限=選択の剥奪
2.親の言うことを聞く=服従
3.行動範囲の限定=監禁または軟禁
が、考えられます。

これらの延長の先には
「怨念」と「復讐」が見え隠れしている気がするのです。
そして、
いつか必ず仕返しをしてやりたいとの情念が蓄積されている。
それが外に向かえば、いじめ、虐待、暴力、非行へ、
内に向かえば、引きこもり、うつ、自傷、自殺へと志向する可能性が考えられます。

私のエピソードを紹介しましょう。(興味のない方は飛ばしてください)
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・エピソード1―幼稚園に行きたくないと言った時(6歳くらい)
 母は怒りながら、髪の毛を持って引きずり回した。私は片道4キロの道を泣きながら歩いて幼稚園へ行った。
 (後に母曰く、「ここで一度許すと何度も休むようになると思った」。以後、私は大学に入るまで休むことはなかった)

・エピソード2―テレビ
 小学校低学年に、テレビを初めて買ったが、勉強しなくなるからと、ヒューズを抜かれてしまって見せてもらえなかった。
 (当時、昭和30年代に各家庭にブラウン管テレビが普及し、ヒューズが付いていた)

・エピソード3―習い事
 小学校低学年時代から、母が私のお習字に熱心になり、毎月の雑誌への投稿、競書会、展覧会はもちろんのこと、
 毎日、母が「良し」と言うまで寝させてもらえなかった。(締め切り前は夜中の2時3時)

・エピソード4―髪の毛
 髪が長くなると、三つ編みやリボンなどに興味が湧いて、勉強しなくなるとの考えから、
 肩まで伸びる前に、母がハサミで常に私の髪の毛をカットしていた。

・エピソード5―洋服
 ヒラヒラの可愛い洋服やピンクや赤色は着せてもらえなかった。
 母の手作りで白と緑色の洋服が多かった。

・エピソード6―クラブ禁止
 中学1年生―人数が足りないからと陸上部に駆り出されたが、帰宅が遅くなるからと辞めさされた。
 中学2年生―担任が軟式テニス部を作ったので、内緒で入部した。が、1週間後にバレる。
 疲れて勉強ができなくなるからと、母が勝手に担任に退部を申し入れ、1週間で退部となり、素振りだけで私のテニスは終わった。
 中学3年生―クラブはあきらめた(この頃から、自殺を考えていた)

・エピソード7―大学進学
 理学部数学科に進学したくて高校も理数科を選択した。
 にも関わらず母は、書道を選択した方が将来の見通しは明るいと、書道の恩師を巻き込み説得する。
この頃には、私は抵抗をあきらめ、完全に母に服従していた。
なぜなら、抵抗することに疲れていたし、金銭的な支援を断ち切られることへの恐れもあったからだと思う。

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すべてに共通する言葉は
「お前の将来のためを思って言ってるんだよ。」でした。
口癖は
「人に負けるな、いつも一番であれ」
「人以上になろうと思えば、人以上の努力をしなさい。人と同じことをしていては人並みにしかなれない。」

これは特別な例でしょうか。
現在の子どもたちも、塾、習い事、スポーツ、進学などあまり違いはないのではないでしょうか?
親が思い描く理想像を、子どもに押し付けていないでしょうか=それは親の理想像です。
自分が満たしてもらえなかった事を、子どもに与えようとしていませんか=それはあなたの欲望です。
子どもに幸せになってもらいたい=それは、あなたが幸せになりたいのではありませんか。
果たして、子どもさんがそれを欲望しているでしょうか?
子どもさんに聞いてみたことはありますか?

親は親であり、子どもは子どもであって親ではありません。
私は私以外の何者でもなく、子どもは私ではありません。
私以外は他者であって、私の思う通りにはならないものなのです。
女性は母になった時から、そのことを忘れてしまうのかもしれませんね。
母はいつか、子どもに舐められ、踏み台にされ、見捨てられる存在なのでしょう。
だからこそ、その根底には回帰する心の故郷としての価値を持つとも言えるのかもしれません。

テーマからずれました。
『子どものために』という言葉の裏側に「剥奪と服従と軟禁」が潜み、
それが子どもの心に「怨念と復讐」を植え付けている可能性があるかもしれないことを
考えてみたかったのです。

シニフィアン研究所では、PTSDの可能性がある方が増えてきました。
震災などとは違って、一見ありふれたように見える中に、
苦悩の原因が隠れています。
それは精神分析(セラピー)という語らいの場で初めて明らかにされるものが大半です。
もしやと感じられたなら、語ってみませんか?

シニフィアン研究所のHPを参照くださいhttp://signifiant-lab.com/PTSD(トラウマ)のサイト私と精神分析のサイトhttp://agency-inc.com/analysis6/不登校の子どものの母よりhttp://signifiant-lab.com/escape/
posted by あい at 14:06| Comment(0) | 宛名のない手紙 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年08月26日

265)聞く=相手の言葉を受け入れる

シニフィアン研究所(埼玉県上尾市&和歌山県和歌山市)の迎意 愛(むかい あい)です。
精神分析という対話療法で心身の悩み相談をしています。
           
今日は、「聞く=相手の言葉を受け入れる」 について書きたいと思います。

『私の話をちっとも聞いてくれない』
かつて、母に対してこのように思ってました。
当時を、振り返ってみました。

いつも、母は、
母が思い描く「理想の子ども」になることを私に求めていました。
「お前のためを思って言ってるんだ」
「こんなに時間も、エネルギーもお金も注いでいるんだ」
「お前のために、どんなに自分の人生を犠牲にしてきたことか」
と、常に語っていました。
その結果
「田舎の優等生」ができあがりました。
自慢の娘の完成です。

この世界には『聞く(聴く)』は皆無でした。
会話はなく、一方的な押しつけと伝達しかありません。
話し始めると口をはさむことなど不可能。
黙って、終わるのを待つのみ。
最後は
「解った?」−「はい」
これで終了。

これでは、聞くのみで、聞いてもらう(語る)体験はできません。
聞いてもらうこと=語ること=自分を受け入れてもらうことではないでしょうか。
私が学習したことは
「沈黙」と「忍耐」と「はいと答えること」
ですから、素直なフリをすることは得意です。

こんな私が、母親になったのです。
ある時、娘から言われました。
『お母さん、私の話を聞いて!お母さんは、ちっとも私の話を聞いてない。自分のことしか言わない』と。
愕然としました。
私が子ども時代に
母に対して心の中で叫んでいた言葉でした。
それと全く同じ言葉を、娘から言われたのです。

精神分析を受け、先生から、「人は学んだことしかできない」と言われていました。
その時は、
「そりゃそうでしょう。知らないことはできなくて当たり前」と思ってました。
そのことが、このような形で納得することになるとは・・・

自分が母からしてもらっていないと(ここでは、聞いてもらう体験)は、
どんなに自分でしているつもりでも、できていない。
相手(子ども)は「聞いてもらっている」とは思えない聞き方しかできないのだと、痛感しました。

子どもは、様々な言動(=親にとって困った事柄)で、親の気づいていない部分を教えてくれます。
子どもは何を訴えているのか?
何を教えてくれているのか?
これらを
精神分析では、対話を通してひも解いていきます。

シニフィアン研究所のHPを参照ください。http://signifiant-lab.com/思春期の悩みhttp://signifiant-lab.com/eatingdisorder/オールOK子育て法http://signifiant-lab.com/raise/
不登校の子供の母よりhttp://signifiant-lab.com/escape/
posted by あい at 11:23| Comment(0) | 宛名のない手紙 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年07月30日

252)自殺を決意したとき

シニフィアン研究所(埼玉県上尾市&和歌山市)の迎意 愛(むかい あい)です。
精神分析という対話療法で心身の悩み相談をしています。
           
今日は、「自殺を決意したとき」について書きたいと思います。
私が「自殺」をすると決意した時の、不思議な心理状態と感覚です。
それは私だけなのか、共通するものなのかは判りません。
ただ、そこまで自分を追い詰めたとき、
それまでに無い心理状態と感覚を体験しました。
それだけは、今でも鮮明に覚えています。

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大津中2自殺問題をはじめ、連日のように、多くの青少年の自殺関連ニュースが報道されています。
・自宅マンションで中2転落死=飛び降り自殺か―茨城
産経新聞 7月30日(月)7時55分配信 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120729-00000084-jij-soci
また、このようなニュースも目にしました。
・一生金ヅルしんどい・やっと楽に…自殺高1メモ
(大阪府貝塚市で昨年10月、同府泉佐野市在住の定時制高1年・川岸朋之さん(当時18歳)が自殺)
 「もっと生きたかったし。もっとみんなと遊びたかったし。もっと楽しい事したかった。死にたくない。死ぬのは怖い。でも死ぬしかないと思った。『生きる』選択肢が無かった。みんな相談もせんとごめん。今までありがとう」
 「(自殺場所近くの)二色浜到着。泣けてきた。今日で死ねる。やっと楽になれる」(昨年10月25日)
読売新聞 7月28日(土)18時51分配信http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120728-00000822-yom-soci

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どうして「自殺」を選択してしまうのか?
249)自殺を考える時―大津中学生いじめ、自殺に思う にも少し書きました。
「自殺」を考えた時、たいていの人が言う(書く)言葉が
『楽になる』と『ありがとう』です。
死ねたらどんなに楽だろう。
死んでしまったらこんなに苦しむこともなく、楽になれるのに。
死んで早く楽になりたい。
このような言葉を一度は聞きます。
そして、親しい人に対して「今までありがとう」と書きます。

私の場合を書きましょう。
高校生の時、生きる意味を見出せなくて「自殺する」と決め、遺書を書きました。
今ではその遺書の内容は覚えていません。
ただ、鮮明に覚えていることがあります。
それは自分の不思議な心理状態と感覚です。
自殺すると決めてからの時間は
とっても不思議としか言いようのない心理状態と感覚でした。

それまでは、
どうして解ってくれないのか。
どうしたら逃れられるのか。
どうしたらいいのか。
どうして?どうしたら?ばかりが頭の中を渦巻いていました。

ところが、一度「死ぬ」と決めた途端
周りの世界がまったく違って観えました。
平安と安堵の気持ちになり、透明ガラスの向こう側にすべてがあるように感じられました。
すべての感覚がちゃんとあるにも関わらず、
叱咤や罵倒の声も、笑い声もはしゃぐ姿も、雑踏も、皮膚感覚もちゃんとあるのに
すべてがガラスのようなものを通して感じられるのです。
今まで体験したことの無い、不思議な感覚でした。
そこに居ながらそこには居ない感覚。
そして、次にやってきたのが許しの気持ちです。
現実は何も変わらず、以前とまったく同じだけれど、
すべてを許せる気持ちになりました。
それまで抱いていた
「怒り」「苦しみ」「悲しみ」憎しみ」「恨み」「妬み」など
すべて消え去り、許せる気持ちがやってきました。
とっても不思議な心理状態と感覚でした。
それが
「ありがとう」の言葉になって表現されるのでしょう。

いじめられ、自殺していった彼らが
このような心理状態と感覚だったかは解りません。
ただ、死ねなかった私の個人的な
今でも鮮明に覚えている心理状態と感覚です。

当時を振り返って思うことは
あの時の私をまるごと受け入れ、良い悪いの判断をせずに、認めてくれる人がいたなら
あんなにも自分を追い詰めてしまわずに済んだのではないかということです。
そして、だれよりも、母がその人であったなら、
世界中の全ての人が敵になっても
きっと私は自殺など考えなかったと思います。

精神分析家となったのは、私の原点がここにあるからです。
すべての人が、生んでくれた母にオールOKして欲しい、と叫んでいると思います。
でも、もし、その声が届かなかったとするなら
一時的であるにせよ、代理母=母代行を引き受けます。
そして今、自分の体験を基に、
お母さんたちに「オールOK子育て法」を通して、
女性の素晴らしさと大切さを伝えています。
また、このことを一人でも多くの人に伝えるべく全国を行脚したいと奮闘中です。
それが、シニフィアン研究所の迎意 愛です。

シニフィアン研究所のHPはこちらです。
http://signifiant-lab.com/オールOK子育て法はhttp://signifiant-lab.com/raise/思春期の悩みはhttp://signifiant-lab.com/eatingdisorder/ 
posted by あい at 11:43| Comment(0) | 宛名のない手紙 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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